多重債務について
クレジットやローンなど、借金のことを債務といいますが、複数の金融機関やクレジット会社などから借金をしている人を「多重債務者」と呼びます。
多重債務者の数は、残念ながら年々増え続けているのが現状です。
多重債務に陥る原因
多重債務に陥ってしまう原因には様々なものがありますが、主な原因としては
- 贅沢品や収入以上の買い物
- 遊興費や飲食交際費
- .生活費
- 冠婚葬祭や傷病など
があげられます。その中でも特に3番の、生活費をやりくりするために多重債務に陥ってしまうという非常に切実な原因が増加傾向にあります。
債務を整理する方法
多重債務を整理するには、いくつかの方法があります。
- 自助努力で債務整理する
- 他力援助(親族や低利の金融機関からの借り入れで債務を整理する)
- 任意整理(業者との話し合いによる債務整理。借金や金利をへらしてもらう。)
- 調停による整理(簡易裁判所に申し立てをして債務を整理する。)
- 訴訟による整理(債務の不存在確認訴訟や過払い分返還請求訴訟で整理する)
- 自己破産(地方裁判所に自己破産の申し立てをして整理する)
6番の自己破産は、多重債務者が債務から逃れるための最終手段です。自己破産の申し立てをするには、破産の原因が存在している必要があります。
自己破産をするとどうなるか
- 1.財産の管理処分権の喪失
- 破産した人は、破産宣告時に持っていた財産を、全て売買する権利を失い、財産の管理処分権は破産管財人に移ります。
- 2.自由の制限
- 破産者は破産管財人や債権者集会の請求によって破産に関して必要な説明義務を負う。
- 破産者は裁判所の許可なく転居や長期旅行など居住地を離れることができない。
- 破産者は、裁判所が必要と認めた場合には身体を拘束されたり、逃走や財産を隠したりするおそれがある場合には監守を命じられることがある。
- 破産者向けの郵便物などは破産管財人に配達され、破産管財人は受け取った郵便物を開封できる。
- 3.公私の資格制限
- 破産者は弁護士、公認会計士、公証人、司法書士、税理士、弁理士、宅地建物取引主任者などになることができない。
- 破産者は後見人、後見監督人、保佐人、遺言執行者などになることができない。また、株式会社の取締役、監査役の退任事由となる。
自己破産をすると、以上のような不利益が生じます。実際、自己破産は増加傾向にありますが、
クレジットカードの発行枚数の増加とはそれほど因果関係はないようで、自己破産の申し立て件数の伸びは
クレジットカード発行枚数の伸びを遙かに上回っています。